証拠開示の効率を改善し、コストを削減する機会を見つけるために、Epiqのクライアントの多くは、経験豊富な証拠開示の専門家が詳細な評価を行なう証拠開示チェックを通じて、証拠開示プログラムの評価を実施しています。Epiqの証拠開示チェックは、ギャップとリスクを特定する詳細なレポートと、短・中・長期のプログラム推奨事項を提供しています。

証拠開示チェックは、複数の業界にわたるさまざまな規模の企業で実施されており、次のような共通の問題点を発見しました

• 予算上の課題: 法務部門においては業務量が増加してる中で、法務部門の約3分の2から、部門全体の予算が横ばいまたは減少しているとの報告が上がっています。 (2023 Legal Department Operations Index, Thomson Reuters Institute)このような状況にある組織の中には、弁護士の人数は変わっていないものもあり、業務の増加により社内チームに大きな負担がかかっていると推察されます。法務部門は、予算が厳しくなる中で可能な限り効率的に業務を遂行する必要があり、外部支出の管理は依然として最優先事項になっています。
• 証拠開示関連タスクにおける外部弁護士への過度の依存: チェックを行う過程で、クライアント、外部弁護士、および第三者の eディスカバリーサービスプロバイダーとの関係を評価します。分析項目の1つは、3者間の作業割り当てですが、これにより、タスクが適切な規模で、適切なリソースによって完了されているかどうかが検証可能になります。法人クライアントは、eディスカバリーサービス事業者でも実行できる作業を完了するために、外部弁護士への依存が多い傾向にあります。これらのタスクを eディスカバリーサービス事業者に移行することで、外部弁護士は戦略と訴訟に集中する時間を確保し、結果的にコスト削減を実現できます。
• データの過剰保持: 訴訟や調査に関連する可能性のあるデータの特定と保存は難しい場合があります。例えば、従業員の離職、組織構造の変化、一元化された文書の欠如などの要因により、関連する可能性のある情報の特定が複雑になることがあります。慎重になり過ぎるあまり、データを過剰に保存してしまう恐れもあります。また、データのガバナンスと適正管理が欠如していた場合、不必要に重複したデータが維持および収集され、不要かつ回避可能なコストの発生につながることもあります
• サイロ化されたプロセス: 法務部門、IT、情報ガバナンス、人事、記録管理など、証拠開示プロセスに関与する社内グループは複数存在します。証拠開示プログラムを成功させるには、これらのグループが綿密に協力し、証拠開示プロセスにおける各グループの役割と責任を明確に理解した上で、透明性のあるコミュニケーションをとることが不可欠です。証拠開示プロセスの完了に向けて各部門が連携する必要があるものの、その実態はサイロ化された共同作業となってしまっていることがよくあります。このため、プロセスはそれほど効率的ではなく、コミュニケーションは合理化されておらず、ワークフローと引き継ぎに歪みが生じる可能性が高くなります。
• 用可能なIT機能のすべてを活用していない: 多くの法人クライアントは、リーガルホールド、データ収集、証拠開示、 eビリング関連のテクノロジーに投資していますが、すべての企業がこれらのツールを最大限に活用できているわけではありません。例えば、テクノロジーをより適切に統合するか、自動化を活用することで手作業による作業は軽減が可能です。組織は、さまざまな目的で使用するテクノロジーが可能な限り統合されるようにする必要があります。多くの組織は、法務部門の効率性向上と支出削減を目的として、AI の採用と自動化の使用拡大に注力しています。

証拠開示チェックは、企業がこれらの問題点に対処するのに寄与します。日々のプロセス、リソースの割り当て、テクノロジーなどの現状を詳細に調査して、利用可能なすべてのリソースが最適化されているかを確認します。非依存型の証拠開示チェックのレビューと推奨事項の報告書には、小さな労力で「すぐに成果が得られる」改善点や、よくある問題の緩和、リソースの使用の最大化、効率化を促進し、最終的にコストを削減するのに役立つ長期的な変革イニシアチブの詳細が記載されます。

Yuka Ito-Currin は、 eディスカバリー および訴訟サポート業界で15年以上の実績があります。戦略的クライアントエンゲージメントディレクターとして、Yuka はEpiqの法人クライアントに戦略的コンサルティングを提供し、法務部門が 証拠開示プロセスと手順を詳細に評価できるように指導し、ディスカバリー・センター・オブ・エクセレンス の構築を支援しています。